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iPS治療コスト、大幅削減の可能性…コロナワクチンにも使用のmRNA活用

読売新聞 のロゴ 読売新聞 2022/01/07 13:23 読売新聞
(写真:読売新聞) © 読売新聞 (写真:読売新聞)

 新型コロナウイルスワクチンの成分として使われる遺伝物質のメッセンジャーRNA(mRNA)を利用し、再生医療で移植に使える細胞かどうかを迅速かつ安全に選別する方法を開発したと、京都大iPS細胞研究所の斉藤博英教授らのチームが発表した。1人当たり数千万円以上かかるとされるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療コストを大幅に減らせる可能性があるという。

 論文が6日の米オンライン科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載された。

 移植用の細胞は通常1台数千万円以上する特殊な装置を使い、細胞1個1個にレーザーを照射して正常な細胞か、がん細胞かを見分ける。このため1回の移植に使う細胞を選別するだけで1~3日の時間がかかっていた。

 斉藤教授らは、細胞の種類によって配列の異なるごく短いRNA(マイクロRNA)が存在することに着目。がん細胞のマイクロRNAだけに反応して死滅させるよう細工した2種類のmRNAを人工合成した。

 人のがん細胞と正常な細胞が混在する培地に、人工合成したmRNAをふりかけて数時間培養したところ、レーザー装置を使った場合とほぼ同等の95~98%の精度で正常な細胞を選別できた。mRNAは細胞の中で速やかに分解されるので安全性も高いという。

 位高啓史(いたかけいじ)・東京医科歯科大教授(核酸医薬)の話「マイクロRNAの配列に合わせてmRNAを合成できるので、移植する細胞に別の細胞や、がん化した細胞が混じっていても簡単に選別でき、非常に実用性が高い。mRNAの新しい使い方の提案と言えるだろう」

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