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コロナ退職は会社への不信感がきっかけ。危機感のなさに失望…

SPA! のロゴ SPA! 2020/05/07 08:53 日刊SPA!
© SPA! 提供

 緊急事態宣言が全国に発令されて以来、多くの企業は「営業を続行するか、休業するか」などの判断を迫られている。しかし、その判断やコロナ対策により企業の本性が見えてしまうこともある。

 今ネット上では「コロナ退職」というワードまで登場。それだけコロナへの対応で会社に失望したり、コロナの影響で退職を余儀なくされたりした人も多い。今回はそんな「コロナ退職」をした人、そして「コロナ退職」を検討している人に話を聞いた。

◆「体調を崩す=コロナ」と決めつけられて会社を退職

「業種を言ったら、特定されてしまうので言わなくてもいいですか……」

 須藤浩二さん(仮名・36歳)が重い口を開く。これまで会社の寮に住んでいたが、4月前半に軽い風邪をひいてしまったという。軽い風邪とはいえ、このタイミング。風邪を引いている須藤さんに対し、周囲は過剰に反応した。

「寮は1人に1部屋が与えられていたにもかかわらず、同じ寮に住んでいる同僚からは犯罪者のような目で見られました。もちろん、コロナにかかっている可能性はゼロではないので念のためコロナのPCR検査も受けましたよ。結果は陰性でした」

 とはいえ、ニュースなどでは一度目の検査で陰性だったが、その後もう一度検査をしたら陽性だったという事例も多数報じられている。そのため、結果が陰性でも同僚たちは須藤さんに対し「コロナかもしれないことには変わりないから」と寮を追い出したのだ。

「陰性になっても、その後風邪は完治して元気になっても犯罪者のような扱いは変わりませんでした。結局、寮には戻れず、職場での扱いも変わってしまいました」

 たとえコロナであったとしても、この扱いはあまりにもひどい。ましてやコロナではなくただの風邪であったのならなおさらだ。

「今、私の職場では風邪なんてひけないし、ひいたらコロナ扱いという風潮はあります。コロナじゃなくても、体調を崩したらコロナなんです。それが陰性であったとしても……もしかしたら誤診かもしれないし……という感じですね」

 そして、須藤さんは退職を決意した。現在、転職に向けて準備を進めているそうだ。

◆会社の危機感の無さに「コロナ退職」を検討中

 「コロナ退職をしたいと思いつつ、まだ悩んでいて……」と語るのは写真関係の企業に勤めている橋本香苗さん(仮名・32歳)だ。仕事には誇りをもっており、「辞めていった同期からは“よく辞めずに続いてるね”って言われる」ほどハードな職場にもかかわらず頑張ってきた。しかし……。

「緊急事態宣言が出て休業するお店や会社が増えているにもかかわらず、あまりの会社の危機感のなさに失望してしまいました」

 サービス業とはいえ、本人が「今現在の状況の中では必要ない仕事」と話す通り、スーパーやドラッグストアのような業種ではなく、小さな子どもの写真撮影をする仕事だ。

「お客様との距離が近いこともあり、スタッフは毎日不安です。もちろんマスクやアルコール消毒・換気等はしていますが、緊急事態宣言が出た今、必要ない業種は休業すべきですよね」

 加えて、職場では日常的にパワハラまがいの行為もみられることが橋本さんを悩ませている原因なのだとか。「今は改善済みで職場自体は嫌いでない」と言うが、それでも気持ちの浮き沈みはある。そんな中のコロナへの危機感のなさが会社への不信感を加速させた。

「自分がコロナウイルスに感染してしまっていても無症状なだけかもとか、もしも感染してしまったら私のせいで迷惑をかけてしまうのではないかということを考えてしまいます。しかし、会社はそうではないみたいで……」

 こうした状況にもかかわらず、会社の上層部は文書で「営業を継続」と伝えるのみ。社員が安心できるような対策を具体的には何もほどこしてくれないのだという。

「それでも私たちはお客様がいるから喜んでもらえるように頑張らないといけません……もう少しだけ頑張ってみて、限界がきたら考えます」

 不要不急のサービスであれば、私たち消費者が「利用しない」ことでこうした従業員の不安を軽減することにもつながるかもしれない。<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

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