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子どもに菓子を与えまくる親が知らない真実 勉強や習い事の前に「食事内容」を見つめよう

東洋経済オンライン のロゴ 東洋経済オンライン 2018/04/14 13:00 細川 モモ
子どもが欲しがるから? お菓子は、糖分、塩分、脂肪分の塊です(写真:ShaneKato/iStock) © 東洋経済オンライン 子どもが欲しがるから? お菓子は、糖分、塩分、脂肪分の塊です(写真:ShaneKato/iStock)

 忙しいお母さんにとって、食事作りは大変。でも、長い目で見れば子ども時代はほんの十数年です。ここで手を抜いて不健康にしてしまうか、一生の健康を手に入れるかはお母さん次第。

 母子の栄養研究や小学生の食事調査やカウンセリングを行う予防医療コンサルタントの細川モモ氏が上梓した『成功する子は食べ物が9割』から一部抜粋し、20年後に後悔しない栄養の話をお届けします。

脳の神経回路は6歳までに9割完成する

 賢い子に育てたい、成功する人生を歩ませてあげたい。そう願って数々の習い事をさせ、受験塾に通わせる親は多いですね。気持ちはよくわかりますが、それよりも大切な食事には、意識がまわっていない親御さんも少なくないようです。

 お菓子や甘い飲料をつい与え過ぎてしまったり、働くお母さんも増えていることから、ファストフード、総菜、外食の利用も頻繁です。「手作りする時間がない」「総菜や外食で子どもが喜ぶ」と考える家庭もあれば、「体格も普通に成長しているから問題ない」と、そんな食生活に疑問すら抱かない家庭も少なくありません。

 ですが、成長期の子どもにとって、食事の影響は親が考えているより大きいものです。

 子どものカラダをつくる材料は、体内には存在しないのです(もちろん私たち大人も)。脳、筋肉、血液、内臓、皮膚、骨などの材料はすべて、食べ物に含まれる栄養がつくるものであり、たとえば脳神経の発達に不可欠な鉄分など、親が与えなければ身長の伸びなど発育発達に問題が生じる栄養素もあります。

 脳の神経回路の9割が完成する6歳までに、魚などDHAが豊富な食材を与えること。効率よく筋肉をつくるために、アミノ酸スコアの高い卵、ヨーグルト、肉などを選ぶこと。「疲れやすい」「集中力がない」のは鉄不足による貧血が疑われるため、吸収率の高いヘム鉄(赤身の肉や魚)を与えること。

 いずれも、子どもを育てる親なら、知っていてほしい情報です。

 脳も体も著しく大きくなる成長期に、食事の力はとても大きいのです。勉強、習い事に対して、子どもは食事からパワーをもらってはじめて、集中力、やる気が持続します。学力と食事の内容に関する研究報告も複数あり、栄養を与えていないのに、成果を出せというのは、子どもにとって酷な話です。

 食事=栄養は、優秀な子どもに育てるための「最大の投資」です。疲れた/だるい/眠いのモチベーション低下を防ぐためにも、栄養について無知なのは、子どもの健やかな発育発達を願う親として、とてももったいないことと言えます。

 「バランスよく食べている人の死亡率が最も低い」ことは、国の調査でも明らかになっています。バランス食に勝る食べ方は今のところ存在しません。

お菓子に「成長に必要な栄養素」は空っぽ

 子どもの多くは好き嫌いがあり、偏食で、気まぐれで、日常的に「お菓子を食べたい」というやっかいな存在。子どものいる親にアンケートをとると、「甘いものばかり食べたがって困る」という声が多く寄せられます。

 幼児の場合、保育園や幼稚園でおやつを食べても、夕食前に「おなか空いた」と言われ、ついおやつを食前に与えてしまう家庭が多いという調査報告もあります。

 ここで知っておきたいのは、補食の役割についてです。お菓子はエンプティ・カロリーです。カロリーは高くても、成長に必要な栄養は空っぽです。それどころか、糖分、塩分、トランス脂肪酸など「体に悪いもの」を過剰に含んでいます。逆に、焼き芋や海苔、フルーツのように栄養のある補食は必要なものなのです。

 何げなく与えているお菓子が子どもの健康を害する可能性がある、ということは、あまり認識されていないようです。

 元気に走り回っているから問題ない、と思うのは大きな間違いで、血液検査をしてみれば、血糖値やコレステロール値、尿酸値などで引っかかる小学生は多く、実は日本のあちこちで、問題は顕在化しているのです。体型は太っていないのに中身がメタボ化している「軽度肥満」に、親は気付けないのです。

 子ども本人に任せていたら、バランス食にはなりません。乳幼児ですら、塩分の摂取は過剰である一方、必要な栄養素は足りていません。だからこそ、親は子どもの将来をしっかり見据えて「適量」をコントロールしてあげてほしいのです。

 不妊症の要因となる排卵障害にも、血糖値が関係しています。

 食後の血糖値が150㎎/dlを超えると、血糖中の糖によって体内のタンパク質が「糖化」し、AGEs(終末糖化産物)という老化促進物質ができてしまうことをご存じでしょうか。AGEsは蓄積型なので、一度つくられると体内から除去することができません。

 AGEsが卵巣の卵胞液にたまると、透明な卵胞液が茶褐色に変わり、卵巣機能の低下につながることがわかっています。また、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸も摂取するほど不妊のリスクが高まるとハーバード大学のウォルター・ウィレット教授の研究で報告されています。

 女の子の体は、子どものうちから、お母さんになる準備を始めています。お菓子やジュースからの「糖のとりすぎ」に気をつけ、勉強や習い事に向かうパワーやスタミナを与えてくれるビタミンB群や鉄分はしっかり与えてあげましょう。

今日からできる20年後に後悔しない食べ方

 1日に魚、肉、大豆製品、卵、乳製品の5大タンパク質をとるのはもちろん、緑黄色野菜は5種類以上、淡色野菜は8種類以上食べるのが理想的です。

 今が忙しくて大変だと、食べ物が子どもの将来に与える影響まで想像できない、調理に手間をかけられないのかもしれませんが、子どもの成長期に向き合っているのは、ほんの10年、15年なのです。

 思春期を過ぎると消えてしまう、身長を伸ばす役割をする部位もあり、「あのとき、栄養が足りなかったせい」と後悔しても、取り戻せません。

 「メニューがワンパターン」「食事作りがままならない」ときでも、カットわかめや高野豆腐をみそ汁に入れて、栄養をアップさせる方法があります。いつものハンバーグに買い置きしたサバ缶を混ぜ込んで、DHAを強化するレシピもあります。あの手この手で、成長期に必要な栄養をとることは可能です。

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