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日本に留学した外国人高校生が全く理解できない校則「スカートは膝がかくれる長さ」

SPA! のロゴ SPA! 2019/03/29 15:50 日刊SPA!
日刊SPA! © FUSOSHA Publishing Inc. 提供 日刊SPA!

― 連載「ドン・キホーテのピアス」<文/鴻上尚史> ―

◆日本に留学したトリリンガルな高校生との話

 今年の4月で、オンエア14年目に入るNHK『cool japan』で高校生記念特集をしました。

 経済産業省が「クールジャパン室」を作る5年以上前から、官民ファンドの「クールジャパン機構」ができる8年以上前から、番組はあるわけです。

 けれど、この二つの組織があるだけで、すっかり政府の広報宣伝番組だと思われたり、「日本バンザイ番組」だと思われたりして、司会をしている関係で、ツイッターでたまに「鴻上はリベラルのふりをしているが、愛国日本バンザイ主義者」とか「パヨクの皮をかぶったウヨク」なんて書かれたりしています。

 一回でも番組をちゃんと見てくれたら、誤解は解けるのになあと、そのたびに、ため息をつきます。

 で、高校生特集ですわ。

 日本に留学した外国人高校生を集めました。これ、簡単に言ってますが、大変なことです。

 だって、例えば、フランスやブラジルから日本の高校に留学した若者は、まず、母国語であるフランス語やポルトガル語を話し、なおかつ、高校では日本語を話し、なおかつ、番組では英語を話すのです。

 つまりは、英語を母国語とする国から来てない場合は、それだけでもう、「トリリンガル」なのです。

 あたしなんかいまだに「バイリンガル」になれなくて、ひいひい言ってるのに、17歳ぐらいで「トリリンガル」なんですから、すごいです。

 そういえば、最近、コンビニとかの外国人店員の「日本語を笑う番組トーク」がいくつかあるようです。

 なんだか、心底悲しくなりますが、こういうことが起こるのは、日本人が本当に海外に行かなくなったからですねえ。

 海外に行って、ちょっとでも言葉に苦労したら、日本にいる外国人の下手な日本語を笑うなんてことは絶対に起こらないでしょうに。

◆部活はクール? ノットクール?

 ツイッターで、素敵な英文が紹介されていました。

「Never make fun of someone who speaks broken English. It means they know another language (H・Jackson Brown,Jr.)」―下手な英語を話す人をからかってはいけない。下手な英語を話すということは、もうひとつの言葉を知っているということを意味するのだから(ジャクソン・ブラウン・ジュニア)

 英語しか話せない人に比べて、どれだけすごいことか、ということを教えてくれるのです。

 で、日本に留学した高校生に、まず、「なんで日本を選んだの?」と聞きました。

 半分以上がアニメやマンガの影響を語りました。アニメに出てきた、あの教室、あの制服を着てみたいと。

 続いて、「日本の高校に来て不思議なこと」を聞きました。

 当然のように、「校則」が出てきました。「スカートは膝がかくれる長さ」なんていう、日本人だと「まあ、そういうのあるだろね」という校則が全く理解できないようでした。

 中には、「恋愛禁止」なんていう人間を人間と思ってない校則がある高校に留学した外国人もいました。

 こういう校則がきっかけで、日本を嫌いになったら嫌だなあ、不毛だなあと心底思います。

 念のために言っておきますが、もちろん、海外の学校にも校則はあります。でも、それは「ドラッグを持ち込んではいけない」「ガンやナイフを持ってこない」なんていう「人間としてのルール」です。

 髪の色や長さ、スカートの丈を決めるものではないのです。

 部活での「先輩・後輩」も不思議だったみたいです。「これはクールなの? ノットクールなの?」と質問すると、15人の参加者がほぼ半分に分かれました。

 もっとノットクールが多いかと思いましたが、クールと答えた人は、実際に学校の部活で、優しい先輩から指導を受けている人達でした。

 ノットクールと答えた生徒は、「たった一つしか年が違わないのに、奴隷と王様みたいな扱いは変」と言いました。

 部活自体がある高校は世界に少ないので、そもそも、部活は好意的に受け取られていました。「だって、タダでスポーツができるんだぜ!」と興奮した生徒がいました。

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