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自衛隊の“トイレットペーパー自腹問題”が、感動の結末を迎える

SPA! のロゴ SPA! 2018/12/15 08:53 日刊SPA!

「自衛隊ができない50のこと 45」

◆「トイレットペーパーを自費購入させているのか?」と国会で質問された!

 そろそろ年の瀬となってまいりました。日刊SPA!のこの連載でも何度もレポートしてきました「トイレットペーパー自腹問題」が、やっと解決しそうな局面を迎えております。昨年から与党自民党議員の中にも自衛隊のトイレットペーパーが自腹という現実を知る議員が増え、調査があったり党内の議論になっていると聞いていました。そして、さる11月1日、自衛隊記念日の衆議院予算委員会において、立憲民主党の本多平直議員が「すごくミクロで大変申しわけないんですが、逆に、自衛官の誇り誇りと言っている総理にこれはぜひ聞いていただきたいんですけれども、トイレットペーパーの、何か人数当たりの何センチとかという基準を決めていて、それが大抵足りなくなって、自衛官の方は自費でトイレットペーパーを買っていると。どこの役所で今どきそんなことがあるんですか。これは真っ先に解消していただきたいと思うんですけれども、いかがですか」と質問しました。

 これに対して、岩屋防衛大臣が「そのような話は、実は私も防衛大臣に就任する前に、地元の自衛隊家族会の皆さんから聞かされたことがございました。お尋ねのトイレットペーパーについては、隊員が自費購入していた場合もあると承知をしております。しかし、現在では、消耗品の中でも特に優先度の高いものとして、各駐屯地、予算を執行していると思いますが、さらに、これについてもきちっと行きわたるように、隊員の負担ということにならないように、しっかり指示を出したいと思います」と答えています。

◆防衛大臣と安倍総理が、対応すると明言した

 岩屋防衛大臣がトイレットペーパー自費購入の事実を認め、予算執行の優先順位を上げてトイレットペーパーを買うことを徹底すると国会で言ったわけです。

 安倍総理も「このミクロの問題については直ちに対応していきたい」と述べました。防衛大臣も総理大臣も認め対応すると明言しました。

 やっと、やっと、自衛隊の全ての駐屯地、基地、施設で、トイレに普通にトイレットペーパーがあるように改善される日が来るのです。

 すでに防衛省では日用品を隊員が自費購入していないかを調べるアンケートが回っていると聞いています。隊員の皆さんはせっかくの機会ですから、ほかにも自費購入しているものがあれば問題点を忌憚なくしっかりと申し出てほしいと思います。今が改善のチャンスなのです。やっと自衛隊のトイレにトイレットペーパーが常備される日がきたとお祝いしたい気分です。

 自衛隊記念日の国会の質問で些細なことですが、毎日の問題の一つが解決されてよかったと思います。

◆自衛隊のトイレは和式、基本的にはウォシュレットはない

 自衛隊の予算については、自衛隊ならではの「理不尽に耐え、搾取されても政治に文句を言わない」という組織ゆえに、ありえない予算不足と自腹構造がずっと続いてしまったわけです。理不尽な仕打ちに耐え、隊員1人1人が我慢し文句を言わずにいたのをよいことに、政治や社会がその現場自衛官達の美質に甘えてきてしまった、そのことが残念でなりません。政治に意見を言えない彼らの職場環境は、国会で話題に上ることがなかったのです。

日刊SPA! © SPA! 提供 日刊SPA!

 その象徴が、トイレットペーパーですら予算不足で買えず、隊員が自腹で購入しているというあきれた状態でした。

 トイレットペーパーが無いためにトイレを封鎖したり、自費購入が常態化しているために売店でペーパーが1ロール単位で販売されているのもよく見る光景でした。トイレの掲示板に「ペーパーは私物だから使うな」と掲示される珍現象もあちこちで目撃されました。

 自衛隊――防衛省は国の機関です。だから「国の施設でまさかそんなビンボー事案が起こるわけがないだろう」とみんなそう思っていました。この自衛隊ならではの不思議な光景を知った奥様方が「いくらウォシュレットがあるからって、トイレットペーパーがないと困りますわね」と言ったという話がネットの噂として伝わってきたことがあります。「国のような組織なのだからトイレットペーパーがなくてもウォシュレットはあるだろう」と思った人がいたのかもしれません。ネットの噂ですから、誰かが面白おかしく作った話かもしれませんが、マリー・アントワネットの逸話として語り継がれた「パンがなければお菓子を食べればいいのに」に似ていますね。

 商用施設のトイレには自動蓋開け機能や使用音を聞こえなくする水音発生機能、温かい便座機能がついている高機能ウォシュレットが整備されていたりします。我が国の技術力や衛生管理のすばらしさに外国人が驚愕するようです。しかし、我が国が誇る自衛隊にはそんな文明の機器を導入するような予算はありません。お客様をお迎えすることが多い特別なセクションでなければウォシュレットなどありません。トイレットペーパーすら買えない自衛隊に高額なウォシュレット配備など夢また夢です。しかも、自衛隊のトイレは今も多くが和式です。施設自体、果たして耐震構造になっているのか不安になるような古い建物が多いのです。それもまた、ツライのです。

◆現場の隊員は爪に火をともすような生活

 防衛省や自衛隊に限らず、私たち庶民は国の機関は経費が自由に使えるリッチな存在なのだろうという想像をしているようです。バブル時代までは霞が関官僚は夜な夜なタクシーチケットを使って飲み歩けたのかもしれませんが、それは大昔のこと。今はどこもかしこも予算を絞られ厳しいようです。自衛隊でも一部の高官様はともかく、現場の災害派遣で汗を流し、人を救い国を守ってくれる隊員さんたちは本当に爪に火をともすような生活をしています。その一端がこの件でわかっていただけたかと思います。

 さすがに自衛隊にウォシュレットがつけられることは無いだろうと思いますが、ペーパーがあるという「人として最低限の安堵感」は絶対に必要ですよね。誇り高い隊員さんたちが給料日前のキツイ時期に「厚生費・衛生費」名目でトイレットペーパー等様々な日用品を買うための集金をされないようになればいいですね。自分の給料を経費に充てることなく全額自分で使えるようになればと切に思います。一般の職場では当たり前のことですが、クリスマス前の小さな幸せになればいいなと思います。<文/小笠原理恵>

【小笠原理恵】

国防ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰

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