古いバージョンのブラウザーを使用しています。MSN を最適にご利用いただくために、サポートされているバージョンをご使用ください。

脱プラスチックを掲げる、スターバックスの紙製ストローの使い心地は? 実際に使用してみた

HARBOR BUSINESS Online のロゴ HARBOR BUSINESS Online 2018/09/30 08:46

 プラスチック製ストローの使用を廃止する運動が、世界各国で急速に広まっている。

 そのきっかけの1つになったのは2015年、南米コスタリカ沖で、ウミガメに関するデータを収集していた米国テキサスA&M大学の調査員らが、鼻にストローが刺さったオリーブヒメウミガメを発見したことだとされている。

 そのストローを引き抜くまでの痛々しい動画が世界中に拡散されると、たちまち多くの「ストロー関係者」の心痛するところとなった。

 そこで、アメリカのスターバックス本社に、昨今の“脱プラスチック製ストロー”の動きについて見解を求めたところ、同社では30年以上地球環境に真摯に向き合う企業として活動しており、完全にリサイクル可能な紙カップの開発に1,000万ドルを拠出するなどの試みを行ってきたとの回答を得た。

 この5年で冷たい飲み物の売り上げが全体の50%を占めるようになったことに鑑み、同社でも現在使用されているプラスチック製ストローを、紙製ストローや再生可能プラスチックであるポリプロピレン製の蓋などに置き換える動きと相成ったという。

 また同社いわく、プラスチック製ストローの主な問題の1つは、その小ささと軽さにあるという。

 同ストローは、現代のリサイクル装置には小さすぎ、かつ軽すぎるゆえ、うまく掴み込めないのだ。確かにストローはその形状や軽さから、街中でも飛ばされればカップよりも遠くに飛んでいく。それが海に出てしまえば、当然、自然分解されることなく、遠くの沖を半永久的に漂い、前出のウミガメの件のように、他の生態系に影響を与えかねない。

 各国のスターバックスグループの中でも、こうした取り組みをいち早く行動に移している国がある。韓国だ。

 韓国スターバックスは、世界的にもリサイクルに対する取り組みが早く、今年8月には店内を利用する客に対して、紙コップ、プラスチックカップでの飲料の提供を一斉に禁止し、9月からは韓国国内の100店舗で紙製ストローを試験導入。最初の2週間はスターバックスのロゴ色である緑色、次の2週間は白色を提供するという。

◆紙製ストロー、使い心地の正直な感想

 実際に、筆者も紙製ストローで新作のラテを飲んでみたのだが、プラスチックの口当たりに慣れているせいか、口に入れた瞬間、ストローというより「紙」を口に入れた感覚が強く唇に伝わった。

 正直、飲み物の味にはプラスチック製ストローよりも集中できず、その弾力のなさに少なくない違和感を覚えた。が、「飲めない」といったことは全くない。

ハーバービジネスオンライン: 口元がはがれた、韓国スタバの紙製ストロー © HARBOR BUSINESS Online 提供 口元がはがれた、韓国スタバの紙製ストロー

 それでもやはり紙製ゆえ、15分もすれば、口元はふやけ始め、口当たりはさらに悪化。吸った時に潰れてしまっても、プラスチック製ならすぐに元の形に戻るが、紙だとやはり時間が立てばたつほど形状が崩れてゆき、飲み終える頃には、口元の紙がはがれ始めてしまう。

 また、紙製ストローを使うに際し「やっかいもの」になるのが、カップにたんまり入れられた氷で、中のコーヒーをかき混ぜようとすると、その氷が障害になり、ふやけて強度を失ったストローは真ん中で折れてしまう。

 筆者の隣で紙製ストローを使用していた現地のビジネスマンにもその使い心地を聞いてみたところ、「やはりプラスチック製と比べると使いにくいですね。紙製にするのは個人的には大賛成ですが、今後本格的に普及させるには、強度の改善は必須になるように思えます」と答えてくれた。

 今回の紙製ストロー試験導入の対象となった店舗の店員によると、今のところ大きなクレームは出ていないそうだが、「飲みにくいからプラスチックのストローに変えてくれないか」とする声は、やはりあるという。が、口に入れた際に覚える違和感も、「ストローは紙でできているもの」という意識が浸透していけば、さほど気にならなくなるだろう。

 カフェで注文する、たった300mlのアイスコーヒーは、ひと時の喉の潤しと引き換えに、半永久的に地球に居すわるゴミを生み出す。

 完全な状態で提供されることだけを「いいサービス」とする時代は、もう終わりにするべきなのではないだろうか。

【橋本愛喜】

フリーライター。大学卒業間際に父親の経営する零細町工場へ入社。大型自動車免許を取得し、トラックで200社以上のモノづくりの現場へ足を運ぶ。日本語教育やセミナーを通じて得た60か国4,000人以上の外国人駐在員や留学生と交流をもつ。滞在していたニューヨークや韓国との文化的差異を元に執筆中。

HARBOR BUSINESS Onlineの関連リンク

HARBOR BUSINESS Online
HARBOR BUSINESS Online
image beaconimage beaconimage beacon