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インフルエンザと新型コロナの両方を標的にしたワクチンの臨床試験が開始

Forbes JAPAN のロゴ Forbes JAPAN 2022/11/07 09:30 Robert Hart

© Forbes JAPAN 提供 Pfizer(ファイザー)とBioNTech(バイオエヌテック)は、インフルエンザと新型コロナの両方を標的にした混合ワクチンのに臨床試験を開始したと11月3日に発表した。これは専門家が新型コロナワクチンの追加接種を強く勧める中で進められている、2種類の推奨ワクチンを組み合わせる取り組みの1つだ。

早期臨床試験ではファイザーのインフルエンザ・ワクチン(現在後期臨床試験中)と、両社が共同開発している新型コロナのBA.4およびBA.5オミクロン株を標的としたワクチンの2種混合ワクチンを試験する。

米国を拠点とするこの試験は、ワクチンの安全性、忍容性、および免疫反応の強度を、18~64歳の被験者約180名を対象に評価すると両社は言っている。

最初の被験者グループは今週接種を受ける予定だ。

インフルエンザと新型コロナ両方のコンポーネントが、両社で共同開発している新型コロナワクチンを支えるmRNAプラットフォームを使って作られる。 

ファイザーの上級副社長兼ワクチン研究開発最高科学責任者のアナリーサ・アンダーソンはこの技術の新型コロナパンデミック下での「柔軟性と生産スピード」が「他の呼吸器疾患にも有効」であることを示したと語った。

バイオエヌテックの共同創業者・CEOのウール・サヒンは、既存のワクチンを巡って頻繁に変異している2つの主要疾患に対して人々が免疫を得るための、より「効果的な方法」を提供できることを同社は期待していると語った。

インフルエンザと新型コロナは全世界における主要な死亡原因であり健康障害の重大な要因だ。いずれもパンデミックを起こす可能性が明白だ。インフルエンザは、新型コロナが出現するまで次の世界的大流行の原因になると広く予測されていた。そしてどちらも比較的すばやく変異し、予防効果を維持するためには頻繁なワクチン接種が必要になる。この変容する状況に、専門家と医薬品企業は、あるシーズンにどの変異株を標的にすべきかを知識に基づいて推測するほかはなく、この当て推量によってワクチンの免疫効果に明らかな差が生まれることもある。

インフルエンザワクチンは、パンデミック下で進展したmRNAテクノロジーの理想的な候補だ。mRNAは、遺伝子物質を導入して体内にウイルスの安全な部分を生成させ、次に将来遭遇するウイルスに対抗するよう訓練されるという仕組みで、他のワクチン技術よりも柔軟で応答が早い。

コロナ・インフル混合ワクチンを開発しているのはファイザーとバイオエヌテックだけではない。パンデミックでの主要なライバルでファイザー、バイオエヌテックと同じタイプのmRNA技術を使用しているModerna(モデルナ)も、独自のmRNAインフルエンザ・ワクチンと同社の新型コロナ追加接種ワクチンとの混合ワクチンを試験している。バイオエヌテックのサヒンは、今回のコロナ・インフルの試験はmRNAワクチンを組み合わせて複数の病原体に対応するための新たな情報をもたらすものであり、将来の同社の製品開発の道筋をつけるだろうと語った。

モデルナは、RSV(呼吸器合胞体ウイルス)、新型コロナおよびインフルエンザを予防する3種混合ワクチンの試験も行っている。3つとも重篤な呼吸器疾患を起こす可能性があり、現在懸念される感染拡大が起きていることから専門家は医療崩壊が起きることを恐れている。乳幼児と高齢者はRSVによる重大疾患に対して特に脆弱であり、全米の小児病院は大量の患者の受け入れにすでに苦闘している。モデルナのCEO、ステファン・バンセルは、新ワクチンは2023年秋までに提供できる可能性があると語った。

29万~65万人。これは世界保健機関が発表している、全世界で毎年季節性インフルエンザで亡くなっている人のおおよその数だ。インフルエンザは300~500万例の重症疾患を引き起こす。CDC(米国疾病予防管理センター)によると、米国では毎年1万2000~5万2000人がインフルエンザで亡くなり、900万~4100万人が発症している。

forbes.com 原文

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