オデーサのロシア皇帝像、市民投票で撤去賛成が多数 ウクライナ南部
ウクライナ南部の港湾都市オデーサの市当局は5日、市中心部の広場にある18世紀のロシア皇帝エカテリーナ2世像をめぐって行われた市民のオンライン投票で、像の撤去を支持する声が多数を占めたと発表した。近く開かれる市議会で撤去の是非を審議するという。
市の投票サイトは、投票総数7796票のうち「完全に撤去する」が3914票、「皇帝の行いについて歴史的な説明を加えた上で、現在の場所に残す」が2816票、「記念公園か博物館に移設する」が329票、「そのまま現在の場所に残す」は650票だったとしている。
市当局によると、オデーサのエカテリーナ2世像は、ウクライナが帝政ロシアの支配下にあった1900年に現在の場所に設置されたが、17年のロシア革命後に撤去され、ソ連崩壊後の2007年に元の像をモデルに再建された。
ロシアのプーチン大統領は、オデーサを含むウクライナ南部の黒海沿岸地域について、エカテリーナ2世時代の露土戦争で帝政ロシアの領土になった経緯から、「もともとロシアの土地」などと主張している。