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ミャンマー軍事政権への反発、コロナ拡大でさらに強まる

毎日新聞 のロゴ 毎日新聞 2021/07/22 06:30 毎日新聞
マスクを着用して托鉢(たくはつ)をする少年僧=ミャンマーのヤンゴンで2021年7月15日、AP © 毎日新聞 提供 マスクを着用して托鉢(たくはつ)をする少年僧=ミャンマーのヤンゴンで2021年7月15日、AP

 ミャンマーで新型コロナウイルスの感染者が急増し、2月にクーデターで実権を握った国軍への反発がさらに強まっている。20日には拘束された民主派政党幹部の感染死が判明。過密な刑務所に収容されている政治犯の対策を求める声が国際社会で強まっている。

 「息子にひどい症状が出て自宅で2週間近く療養している。救急車で医療施設に運ぼうとしたが病床がないと断られた。政府は何の役にも立たない」。最大都市ヤンゴンに住むドーウィンさん(65)が嘆いた。

 ソーピェイさん(31)は「感染した友人に医療用酸素を頼まれたが入手できず、友人は治療を受けられないまま自宅で一人きりで亡くなった」と肩を落とした。

 ミャンマーでは6月以降、感染が急拡大。17~31日は全土でロックダウン(都市封鎖)が実施されている。

 保健・スポーツ省によると、1日あたりの新規感染者数は5000~6000人台で推移。死者数は連日、過去最多を更新し、23日には326人に達した。

 だが、地元メディアは実際の死者がはるかに多い可能性を報じている。オンラインメディア「イラワジ」は、ヤンゴンの火葬場に遺体が次々と運び込まれ、火葬が追いついていないとの慈善団体の声を伝えた。

 ワクチン接種も遅れている。20日付の国営紙によると、接種を終えた人は人口の3%に満たない。医療用酸素不足が深刻で、工場の前には自宅療養中の患者の家族らが早朝から並ぶ。

 国軍のミンアウンフライン最高司令官は7月中旬の会議で「国内には十分な(医療用)酸素がある」と述べたと伝えられ、人々は「実態を把握していない」と、不信感を強めている。

 一方、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)の幹部で、クーデターで拘束されヤンゴンのインセイン刑務所にいたニャンウィン氏(78)が新型コロナに感染し、20日までに病院で亡くなった。

 同刑務所は過密状態で感染が広がっているとみられる。収容されているスーチー氏の経済顧問、ターネル氏の妻は18日、フェイスブックに「夫は数週間にわたり症状があり、とてつもないリスクがある」と投稿し、即時の解放を求めた。

 同刑務所などでは23日に抗議が起き、国軍が出動する騒ぎになった。米英の大使館などは、すべての収容者が適切な医療を受けられるようミャンマー当局に求める共同声明を出した。

 21日付国営紙によると、これまでに全国の刑務所にいる受刑者や政治犯計375人が感染し、ニャンウィン氏のほかに6人が死亡した。【バンコク高木香奈】

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