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北朝鮮「火星15」打ち上げで米朝戦争勃発の可能性99%に?

AERA dot. のロゴ AERA dot. 6日前 亀井洋志

 米国の首都ワシントンを射程に入れた新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(フアソン)15」の発射で、北朝鮮をめぐる緊張はいっそう高まった。

 北朝鮮が11月29日未明、通常より高角度のロフテッド軌道で発射した火星15の最高高度は約4500キロに到達し、過去最高。通常角度での飛距離は1万3千キロ以上と推計され、米国全土が攻撃可能範囲に収まる。

 韓国在住のジャーナリスト、裵淵弘(ペヨンホン)氏が語る。

「韓国メディアは火星15の早期完成の要因を、エンジンが北朝鮮独自の開発ではなく、旧ソ連製で組み立てられた可能性を指摘しています。戦争の危機を高める米朝の応酬は今後も続くでしょう」

 9月のミサイル発射以来、北朝鮮による2カ月半ぶりの“挑発行為”に米国のトランプ大統領は激昂。金正恩朝鮮労働党委員長をツイッターで「ちびのロケットマン」と罵り、中国の習近平国家主席との電話会談で石油の禁輸を促した。

 米国のヘイリー国連大使も世界各国に北朝鮮との関係を遮断することを求めた。

 軍事的なプレッシャーとして、すでに米国は空母3隻を日本海に投入しているが、12月4日から最新鋭ステルス戦闘機F22など約230機を展開して米韓合同軍事演習を実施する。

 コリア・レポート編集長の辺真一氏は「戦争へのカウントダウンが始まった」と警告する。

「国際包囲網を張って兵糧攻めにしながら軍事プレッシャーをかけて、北朝鮮をギブアップさせようとしています。しかし、北朝鮮が白旗を揚げない限りは戦争になります。これまでの経過を考えると、北朝鮮の側から折れるということはあり得ないでしょう。金正恩氏はトランプ氏のことを『狂った老いぼれ』と呼んでいる。とても理性的とは思えません。もう落としどころは見つかりません。アメリカが先制攻撃を仕掛ければ、北朝鮮は核攻撃で報復に出ます」

 11月下旬、ヨーロッパのシンクタンク・欧州外交評議会(ECFR)が、北朝鮮の核攻撃の標的リストを公表。米国のマンハッタンやグアム、韓国のソウルのほか、日本では東京、大阪、横浜、名古屋、京都の5都市が含まれたという。

 辺氏が続ける。

「史上初の核戦争になる。日本も韓国も北朝鮮も共倒れです。レッドラインは、北朝鮮が火星15を通常軌道で発射するか、火星14を使って太平洋上で水爆実験を実施する。あるいは、火星12(中距離弾道ミサイル)でグアム近海を包囲射撃した時点でしょう」

 一方、前出の裵氏は実質的に「米朝の出来レース」という見方をする。

ガッツポーズする金正恩氏(c)朝日新聞社 © dot. ガッツポーズする金正恩氏(c)朝日新聞社

「火星15の打ち上げで北朝鮮は米国との交渉カードを高めていく狙いがある。米国も北を利用し、日韓への武器売却に好都合な環境が整うという構図がある」

 辺氏はこう嘆く。

「日本にとって北朝鮮有事は今や想定内です。軍事衝突が起きないように、知恵を絞り、工夫を凝らして何とかしなければいけないのですが……」

(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2017年12月15日号

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