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貴親方退職、協会が受理 千賀ノ浦親方が1時間半説得も叶わず…八角理事長「残念」

サンケイスポーツ のロゴ サンケイスポーツ 2018/10/02 06:15 株式会社 産経デジタル
貴親方退職、協会が受理 千賀ノ浦親方が1時間半説得も叶わず…八角理事長「残念」: 日本相撲協会の臨時理事会に臨む八角理事長(左から2人目)ら © サンケイスポーツ 提供 日本相撲協会の臨時理事会に臨む八角理事長(左から2人目)ら

 日本相撲協会を退職することが決まった貴乃花親方(46)=元横綱=について、協会の八角理事長(55)=元横綱北勝海=は直接の話し合いを打診していたことを1日の記者会見で明かした。この日の臨時理事会では、貴乃花部屋の力士8人と床山、世話人の計10人が千賀ノ浦部屋へ転籍することを承認。歴代6位の優勝22度を誇る「一代年寄」の功労者は、王道を全うすることなく野に下る。

貴親方退職、協会が受理 千賀ノ浦親方が1時間半説得も叶わず…八角理事長「残念」: 貴乃花親方の退職について、報道陣から質問を受ける貴景勝 (撮影・福島範和) © サンケイスポーツ 提供 貴乃花親方の退職について、報道陣から質問を受ける貴景勝 (撮影・福島範和)

 手は尽くした。そんな空気が支配した臨時理事会は「平成の大横綱」の退職届を受理し、約30分間で終わった。その後、会見を開いた八角理事長が胸中を吐露した。

貴親方退職、協会が受理 千賀ノ浦親方が1時間半説得も叶わず…八角理事長「残念」: ひっそりと静まりかえる貴乃花部屋=江東区(撮影・斎藤浩一) © サンケイスポーツ 提供 ひっそりと静まりかえる貴乃花部屋=江東区(撮影・斎藤浩一)

 「貴乃花親方は22度の優勝を成し遂げた立派な横綱。貢献も非常に大きいものがある。非常に残念」

 コピーなど書類の不備で2度差し戻された所属先変更願は、前日9月30日までに完全版が協会へ届けられた。貴乃花親方から提出された「引退届」も協会の書式に準じる「退職届」ではなく受理されていなかったが、同親方の担当弁護士から「引退を退職と読み替えてほしい」とする上申書を受け入れ、この日付で受理された。

 八角理事長は、最後まで直接対話を模索していた。先週末。通常は業務が休みの土、日曜日も理事長らは出勤。力士を受け入れる千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)を通じて面会を打診した。しかし「貴乃花親方と直接会って1時間半くらいかけて説得してくれたが、貴乃花親方から断られた」という。

 7月の理事会で親方は5系統ある一門への合流が義務づけられた。無所属で孤立した貴乃花親方に対し、理事長自身が属する高砂一門での受け入れを検討していたことも明らかにした。

 実務担当者によれば、貴乃花親方の退職金は定められた算出法で約1000万。これを上回る額の「功労金」が評議員会などを経て年内に決まる。しこ名は元来、協会へ帰属する。部屋に伝わる由緒あるしこ名や「止め名」もあるが、弾力的に運用されているのが実情。名乗っていた人物や部屋の了承があれば名乗ることは可能で、「貴乃花」のまま活動することに支障はない。

 この日、国技館では力士選士権が行われた。貴乃花部屋から一人出場した小結貴景勝の取組では、館内に「兵庫出身、貴乃花部屋」とアナウンスされた。貴景勝は「区切りもクソもない。相撲を磨いていくだけ」。

 これが聞き納め。「貴乃花」は消え、環境が激変する力士の苦労はここから始まる。 (奥村展也)

元NHKアナウンサーで東京相撲記者クラブ会友の杉山邦博氏 「現役時代は王道を行く孤高の横綱で、その貢献度を思うと残念でならない。気遣っていた弟子の移籍先が円満に決まり、ほっとしているだろう。今後は自らの相撲道場などで情熱を傾けていくのではないか」

著作に相撲エッセーもある作家、乃南アサさん「天真らんまんな少年の頃から見守ってきた。所作がきれいで、体が大きな相手にも真っ向勝負を挑む力士だった。親方になってからは寡黙で真意が分からず、別人のように見えた。相撲界を離れ、今後どう生きていくのか心配だ」

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